小説や漫画で見かける「疾風の如く」というフレーズ。
皆さんも一度ならず聞いたことはあるのではないでしょうか。
古風で格好良いこの表現は、一体どのような意味を持つのでしょう?
また、この表現にはどのような同義語や別の言い方が存在するのでしょうか?
このフレーズの使用例や使い方についても知りたいですね。
今回は、「疾風の如く」の意味や読み方を分かりやすく解説し、類似表現や異なる表現方法、使用例についてもまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
「疾風の如く」の読み方は?
「疾風の如く」という表現の読み方には以下の2つがあります。
・はやてのごとく
・しっぷうのごとく
どちらの読み方も正しいので、好みに応じて使い分けてください。
ただし、慣用句としては「はやてのごとく」読むことが一般的です。
新幹線も「はやて」ですからね。
ですが、自分は 疾風の用心棒(かぜの用心棒)というス〇ットの影響で「かぜ」と読みたくなります。
旋風チャ〇スを期待してたくさん突っ込みました…
「疾風の如く」の意味は?
「疾風の如く」の意味解説
「疾風の如く」という表現の意味を理解するために、まずは「疾風」と「ごとく」のそれぞれの意味を検討してみましょう。
【疾風】
- 速く激しく吹く風。はやて。
- 風速毎秒8.0~10.7メートルで、風力階級5の風。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
【ごとく】
- 比喩や例示を表す助動詞の一形態。
- 「…のように」「…の通り」という意味。
使用例:
「鏡の如く静かな湖面」
「妻は鬼の如く恐ろしい形相になった」
「過去の栄光が昨日の如く思い起こされる」
現代では、より文章的、またはフォーマルな表現として使用されます。
この二つの単語を組み合わせると、「疾風の如く」の意味は次のようになります。
- 強く素早く動く風のような様子。
- 非常に速いスピードで動く、勢いのある状態。
基本的には「人や動物が目で追うのが困難なほど迅速に動く様子」を表す比喩的な表現です。
銀河英雄伝説で例えると、銀河帝国のウォルフガング・ミッターマイヤー提督が疾風の如く素早く艦隊を運用する事から「疾風ウォルフ」の二つ名で呼ばれています。
まさに「疾風の如く」と言う表現がこれ以上あてはまるキャラクターは居ないでしょう。
「疾風の如く」を英語でどう表現する?
「疾風の如く」というフレーズを英語に翻訳すると、以下のような表現が考えられます。
- like the wind 風の様に(速く)
- like a gust of wind 突風のように
これらの英語表現を用いた例文は以下の通りです。
- He was off like the wind.
(彼は疾風の如く逃げた) - The pandemonium above has ceased almost as suddenly as it arose, passed like a fierce gust of wind.
(荒々しい一陣の風のように、大混乱は起きた時とおなじくらい突然におさまりました。)
英語で表現するとこの様な感じですかね。
「疾風の如く」の使用例
次に、「疾風の如く」という表現を使用したいくつかの例文を紹介します。
- 駅伝でタスキを受け取ったヤツは、疾風の如く選手をごぼう抜きして行った。
- 予期せず助けが疾風の如く現れ、どこへともなくもなく立ち去った。
- 俺は仕事を疾風の如くこなし、定時退社でデートに向かった。
- 発車ベルが鳴っているので、彼は疾風の如く階段を駆けて乗り込んだ。
これらの例文はすべて、「人の動きが風のように迅速である様子」を表しています。
「疾風の如く」と入れただけで、ものすごいスピード感を感じますよね。
「疾風の如く」の同義語や別の表現方法
「疾風の如く」という表現に似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 疾きこと風の如く
- 電光石火
- 疾風怒涛
これらの表現の意味を一つずつ見ていきましょう。
疾きこと風の如く
「疾きこと風の如く」は、武田信玄の軍旗に記されていた「風林火山」の一部で、中国の孫子の兵法、軍争篇から来ています。
これは、戦いで風のように素早く動くことを示しています。
風林火山は、「その時の状況に応じた適切な行動を取る」という意味を表しています。
ですが、孫子の兵法の序文には「可能であるなら外交によって争いを回避すべき」という教えが来ていることを忘れてはいけません。
電光石火
「電光石火」は、稲妻の光や石を打ったとき出る火の意から、動きが非常に素早いことのたとえ。
電光は稲妻、石火は火打石を打った際の火花を差します。
疾風怒涛
「疾風怒涛」は、激しい風が吹き荒れ、大きな波が荒れ狂うさま。
これらはいずれも「疾風の如く」と似た意味合いを持ち、急速かつ力強い動きを象徴しています。
ニュアンスの違いを理解して上手く活用して下さい。
「疾風の如く」の意味や使い方のまとめ
「疾風の如く」は、激しい風のように非常に速く、力強く動く様を表す比喩表現です。
例えば、「疾風の如く走り抜ける」という形で使用されます。
「如く」と言うと少々かたいため、「疾風の如く」では無く「疾風のように」の方が良く耳にするかもしれません。
疾風(はやて)のように、ザ〇ングルー、ザ〇ングルー ♪
古いところだと、
疾風(はやて)のように現れてー、疾風(はやて)のように去ってゆくー ♪
ちょっと変わったところでは中日ドラゴンズ応援歌の一つでもある「大島洋平選手のテーマ」にも疾風の如くは登場します。
「飛び出せ大島 疾風の如く その手でチャンスを
切り開け (かっとばせー おおしま!)」
https://chunichiouendan.wixsite.com/dragonsouendan/大島洋平選手のテーマ
これらの様に、歌の歌詞としては良く耳にしているのではないでしょうか?
またTVアニメの「犬夜叉」。
こちらは歌詞ではなく、曲そのものが疾風の如くを表現しています。
オリジナルサウンドトラックの中に「疾風の如く」Like the wind があります。
聞いてみると、スピード感の他にちょっと大河ドラマの主題歌か?と思わせるような壮大さも加わって、この曲が好きな人は
- やる気が出る!
- テンションが爆上がりする。
- かっこいい!
というまた違ったイメージが膨らみます。
疾風の如くの表現もいろいろあるんですね!
ぜひ、聞いてみてください!
「疾風の如く」、「疾風のように」は、日常的な会話や文学的な文脈で活用できますね。
次にあなたが迅速で力強い動きを描写する際には、この表現を使ってみてください。
格好良いですよ!