子供の学校生活では、時には学校を変える(転校する)必要が出てくることがあります。
特に小学生の場合、このような変更にはたくさんの準備が必要で、慎重な対応が求められます。
転校する際には、様々な手続きや関係者への挨拶が必要になります。
また、新しい環境への子供の順応・適応をサポートすることも大切です。
自分の上の子の場合は、幼稚園の年長の時に愛知から兵庫に引っ越しし、小学校2年生に上がる春休みに兵庫から再び愛知に転校。
さらに3年生の夏休みに愛知から北海道に転校し6年生の夏休みに北海道から東京に転校と、転校しまくりです。
6年生の夏休みの転校は、高校受験を見据えた中学校生活を盤石にするために少しでも小学校で友達を作るためのものでした。
その甲斐があって無事に都立上位の高校に合格する事が出来ましたが、転勤族の場合はいつ転勤になるか分かりません。
高校受験の場合、特に公立高校の場合は内申点のウエイトが大きい事が有り、詳しく調べておかないと子供に大きなハンデを背負わせてしまう事にもなり兼ねません。
持ち家の有無や会社の社宅費用負担制度などを考慮して最良の方法を家族で話し合ってみて下さい。
さて、新しい学校への転校を考えるときどんな手続きが必要か、どうやって関係者に挨拶すべきか、そして子供のケアはどうすればよいか、多くの疑問が生じるかもしれません。
この記事では自分の経験をもとに、そんな疑問に答えていきます。
小学校の転校手続きについて、最適なタイミングや必要な手続き、子供のケア方法などを詳しく解説します。
一緒に転校にまつわる疑問を解決しましょう。
転校の手続きには時間がかかります。
新学期が始まる前に手続きを済ませるためには、春休み前から行動を起こすことをおすすめします。
4月1日の辞令を伝達ミスで3月31日に伝えられたことにより小学校新入学(と転校)手続きが間に合わず、入学式翌日に転校という羽目になった同僚が居ました。
これは極端な例ですが、行動が遅くなることでこの様な事が起こる可能性が有る事だけ覚えておいて下さい。
その様な事にならないためにも、転勤が決まった際は早めに転校の手続きをする事をおススメします。
ただし、子供にとっては大きな変化なので、彼らの話をしっかり聞いて、適切にサポートすることが必要です。
場合によっては学期の終わりまで通わせてあげる事も考えてみて下さい。
それでは、転校に必要な具体的な手続きについて詳しくご説明します。
春休みは小学生の学校転校に最適?その理由は?
小学生が学校を移るのに最も適したタイミングはいつでしょうか。
答えは、春休み期間中です。
これには複数の理由がありますが、特に大きな理由は3つ有ります。
理由1:新学期のクラス替えで友達が出来やすい
新学期の始まりとともに、多くの生徒が新しいクラスに慣れようとする時期で、新しい生徒が馴染みやすくなります。
交友関係が無い子供同士が新しい友達を作ろうとしていますので、転校生でも友達作りのハンデは少ないと言えます。
理由2:学習の進行の一貫性(ついて行けないを防止)
新学期はカリキュラムが始まる時期なので、転校生は勉強の進捗について不利になりにくいです。
都道府県によって学業の進捗と言うか、子供たちの学習水準と言うか、多かれ少なかれ差が有ります。
新しい学校で学習進度が早く進んでいた場合、授業について行けないという事になり兼ねません。
新学年になるタイミングであれば、新しい教科書で最初から学習を始めるので差が付きにくいのです。
理由3:年間行事へ余すことなく参加できる
運動会や遠足など、年間を通じた学校行事に全て参加するチャンスがあります。
学期途中の転校だと遠足に行けなかったり、修学旅行に行けなかったりと、想い出作りが出来なかったという悔いを残すことになってしまいます。
また、運動会や学芸会などの場合は、練習を積み重ねて本番当日を迎えます。
練習期間が少ない事で周囲に迷惑を掛けたり、本人が行事参加を嫌がってしまう事が考えられます。
上記3つの理由は子供にとっては深刻なものになってしまう可能性が高いです。
その点、春休みの転校は子供にとってストレスが最も少ない時期となることを意味します。
親の観点からも、新学期は親子での活動や学校行事への参加がしやすくなる傾向があります。
また、高学年になるにつれて友達グループが固定される傾向があり、新しい友達を作ることが難しくなるため、低学年のうちに転校することが子供の負担を軽減します。
小学校も高学年になると友達グループが形成され、いじめの原因にもなりかねません。
いじめを受けるようになってしまうと受験どころではありませんので、出来るだけ環境に変化を与えない事を考えてあげると良いでしょう。
お子さんが国大付属中学校や私立中学校、中高一貫校、高校の受験を考えている場合も、当然転校の時期を考える大きなファクターとなるでしょう。
子供さんの人間関係が悪影響を与えない様に配慮するようにして下さい。
人間関係が嫌で不登校になってしまっても、内申への優遇などは無く、出席出来ない事がダイレクトに内申点に結びついてしまいます。
受験などを考慮する際に持ち家が有るのであれば経済的な負担は多少大きくなりますが、単身赴任も視野に入れると良いかもしれません。
中学校の内申点が得られなかったり、特定のテスト(※過去に神奈川県で実施していたアチーブメントテストなど)の点数が無い事により、著しく受験で不利益を被る様なケースも有ります。
県境近くに転勤する場合などは、どちらの県に引っ越した方が良いかも合わせて考えてあげると良いと思います。
例えば、都内勤務で転勤する場合、勤務する最寄り駅にもよりますが、東京都内のほかに、神奈川、埼玉、千葉も十分に転居先として考慮する事が可能です。
昔と違い、今は受験についてもネットで調べることが出来るようになっています。
事前に調べておくことが出来るので、引っ越したら不利になる都道府県を避けることは難しくないと思います。
さて、転校手続きには時間がかかるため、春休み中に準備を進めることで、新学期から新しい学校での生活をスムーズに始めることができます。
以下に転校の手続きについて説明して行きます。
なお、転校が決まっている場合は、春休み前に子供が友達と別れる時間を設けることも大切です。
転校してからもずっと友達でいたい相手が居る場合は、お別れの時間で今後の交友関係について親同士で話をしておくのも良いでしょう。
自分の妻は、SNSなどで母親同士でコンタクトを取れるようにしていました。
小学校転校時の必要書類と手続きの流れ
小学校転校の際に必要な書類と手続きの方法をご紹介します。
転校手続きは、転校先が現在の市区町村内か他の市区町村か、また公立か私立かによって異なります。
それぞれの場合に応じた手続きの流れを以下で説明します。
同じ市区町村内の公立小学校へ転校する場合
必要書類
- 在学証明書(現在通っている小学校から発行)
- 教科書給付証明書(現在通っている小学校から発行)
- 転入学通知書(新住所の役所から発行)
手続きの流れ
- 現在通っている小学校に転校の意向、新住所、転校先を伝え、必要書類を発行してもらいます。
- 引越し後、新しい住所の役所で転居届を提出し、在学証明書を一緒に提出します。
- 新住所の役所から転入学通知書を受け取り、転校先の学校に提出します。
他の市区町村の公立小学校へ転校する場合
必要書類
- 在学証明書(現在通っている小学校から発行)
- 教科書給付証明書(現在通っている小学校から発行)
- 転入学通知書(新住所の役所から発行)
- 新しい住民票(新住所の役所から発行)
手続きの流れ
- 現在通っている小学校に転校の意向を伝え、必要書類を発行してもらいます。
- 現住所の役所で転出届を提出します。
- 引越し後、新住所の役所で転入届と新しい住民票を発行してもらいます。
- 新住所の役所で在学証明書と住民票を提出し、転入学通知書を発行します。
- 転校先の学校に必要書類を提出します。
これらの手続きをしっかりと行うことで、スムーズな転校が可能になります。
私立小学校へ転校する際の手続き
私立小学校へ転校する場合、役所での手続きは通常不要ですが、学校によって転校条件や編入試験が設けられていることがあります。
また、必要な書類は学校によって異なるため、事前に直接学校に確認する必要があります。
手続きの流れ
- 転校を希望する学校に連絡し、転校の条件や試験について問い合わせます。
- 必要に応じて面接や試験を受けます。
- 試験に合格した場合、現在通っている小学校に転校の意向を伝え、必要に応じて転校届を提出します。
- 転校先の学校から必要な書類のリストを受け取り、それらを準備します。
- 準備した書類を転校先の学校に提出します。
これが私立小学校への転校時の基本的な流れです。
転校に必要な書類の準備には時間がかかることがあるため、早めに行動を始めることが重要です。
また、転校の手続きは新しい住所が決まっていなくても進められるので、転校が決定したら速やかに手続きを開始することがおすすめです。
このように準備を進めることで、転校のプロセスがスムーズに進行し、お子さんが新しい環境に早く馴染むことができます。
親御さんが事前に情報を収集し、準備を進めることが、お子さんの転校をサポートする上で大変重要です。
小学校転校時に準備すべきもの:書類以外に必要なアイテム
転校に必要な書類手続きが完了した後、他にも準備が必要な物品があります。
学校によっては教科書や体操服などが異なるため、新たに準備する必要が出てくることがあります。
教科書は通常学校から支給されるので心配はありませんが、次のようなアイテムの準備が必要になることがあります。
- 体操服
- 室内履きおよび体育館用シューズ
- 帽子
これらは転校において最低限必要とされる物品です。
また、道具箱や絵の具セット、手提げバッグに関しては、学校によって指定がない場合もあるので、転校の手続き時に確認すると良いでしょう。
春の転校時に役立つ挨拶例文
春に転校が決まった際、春休み前にクラスメイトや先生方に挨拶する機会があります。
ここでは、そうした場面で使える挨拶の例文を紹介します。
子供がクラスメイトへ向けるお別れの挨拶
「この1年間、みんなと過ごせて楽しかったです。お別れは寂しいけれど、一緒に作った楽しい思い出は忘れません。新しい学校でもみんなを思い出します。本当にありがとう。」など。
別れの際には、鉛筆やお菓子などの小さなプレゼントを配ることが多いです。
経済的な負担を考慮しつつ、子供たちが喜ぶようなアイテムを選ぶと良いでしょう。
学校によっては贈り物をしない様に指導している場合も有りますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
親が先生方へ向ける挨拶
「これまで(子供の名前)を温かく見守ってくださり、ありがとうございました。先生方のおかげで素晴らしい学校生活が送れました。心から感謝しています。」など。
先生方は忙しいため、挨拶は簡潔に行うことが望ましいです。
事前に訪問の適切なタイミングを確認すると良いでしょう。
手土産に関しては、持参してもしなくてもどちらでも問題ありません。
子供の気持ちを最優先!転校の伝え方と子供のケアについて
転校は子供にとって大きな変化であり、その伝え方やタイミングは非常に大切です。
では、どのように転校のことを子供に伝えるのが最良なのでしょうか。
子供に転校を伝える際は、隠し事をせずに正直に話すことが重要です。
隠し事はいずれ明らかになり、その時子供は傷つく可能性があります。
ただし、子供の年齢や理解力に応じて、親が伝える内容の詳細度を調整することが必要です。
転校の事実を伝えるタイミングは、子供の年齢や性格によって異なりますが、友達とのお別れの時間を設けるためにも、できるだけ早めに伝えることが望ましいです。
しかし、転校を隠す必要がある場合や転校までの期間が長い場合は、子供の心の準備を考慮して適切なタイミングを親が見極めることが大切です。
転校を伝えるときは、子供の体調が良い時を選び、週末に話すことで週末を使って感情を整理する時間を与えることができます。
何よりも大事なのは、子供の感情を最優先に考え、変化に対してできるだけのサポートを提供することです。
親が子供の気持ちに寄り添い、一緒にこの変化を乗り越えていくことが、子供にとっての最善のケアとなります。
春休み明けの転校、子供が新しい環境に慣れやすくするための親のサポート方法
子供が転校する時、親ができるサポートやケアにはどのようなものがあるのでしょうか。
最も重要なのは、子供の不安感を和らげることです。
それが一番の心のケアとなります。
「転勤で新しい職場での人間関係がどうなる? 仕事はうまくこなせるか?」
「転勤先での近所付き合いはどうなるのか? 距離感は?」
など、大人でも引っ越しするのは心配がつきものです。
子供の場合、逃げることが出来ない学校という閉鎖空間での生活を強いられます。
そのストレスは大人には想像が出来ないのではないでしょうか?
だからこそ、子供が自分の不安について話しやすい環境を作ることが大切です。
子供に無理に話を聞かせるのではなく、自然な会話を通じてコミュニケーションをとるようにしましょう。
家庭の安定を保ち、子供と一緒に外出する機会を増やすことで、新しい地域の魅力を共に発見し、地域の人々との交流を持つチャンスを作りましょう。
親が地域社会と積極的に交流する姿を見せることは、子供にとって良い手本になります。
親が新しい環境に対して不安を抱えていると、子供も同じように感じることがあるため、親自身が新しい環境を積極的に受け入れ、子供をサポートすることが大切です。
子供の生活に過度に介入せず、適度なサポートを心がけましょう。
最適な転校時期と転校手続きのポイントまとめ
- 春休みは転校するには最適なタイミングです。
- 転校の手続きと必要書類は、転校先が公立か私立か、また、市区町村によって異なります。
- 教科書や体操服などの学用品も転校に合わせて準備が必要です。
- 挨拶は短くても良く、子供のクラスメイトへの小さなプレゼントは良いアイデアです。
- 転校の理由を子供に伝える時は、正直に話してあげることが重要です。
- 転校の話しは子供の性格を考慮して、出来れば早めに伝えるべきです。
- 親は子供の負担を軽減するために、適切なサポートを提供することが大切です。
転校は親にとっても引っ越し先の近所付き合いや新しい職場への適応など、大きなストレスになることがあります。
子供をサポートすることはもちろん大切ですが、親自身もストレスを適切に管理し、新しい環境を前向きに捉えていくことが重要です。
新しい生活が良いものになりますように!