CPIって生活に深く関係があるって知ってる?公表時期っていつ?
みなさん、CPIってご存知でしょうか。
また、消費者物価指数って言葉は聞いたことがありますか?
ニュースでは消費者物価指数という言葉をよく耳にします。
実はCPIとはConsumer Price Indexの略で、日本語だと消費者物価指数のことを言います。
私たちは生活している上で、あらゆるものを購入していますが、その物価の変動を知る物差しです。
世の中の動きによって物の値段は上がったり下がったりしますよね。
私たちの生活に影響を与える指数です。
今回はCPI(消費者物価指数)について色々、調べてみました。
CPIとは何か?どういうふうに計算されるの?いつ発表されるの?私たちの生活にどう関係してくるのかなどお話しします。
また、超低金利の日本では預貯金をしていても利息はほとんど付きません。
下手すると、引き出す際の手数料で赤字になるので株式やFXなどの投資をしているかもしれません。
その様な場合、相場に大きな影響を与えるCPIは無視できない指標となります。
まずはCPIとは何かから説明しますね。
CPIとは何か?
私たちは生活していく中で色々なモノを購入しています。
また、モノ以外でもあらゆるサービスを受けるためにお金を払っています。
例えば、食料品や衣料品、生活用品、家賃、電気、ガス、水道、ガソリン、保健や医療、交通、通信、娯楽などがありますよね。
こうした私たちが消費している商品やサービスの価格の変動を調べる指数をCPI(消費者物価指数)と言います。
CPI(消費者物価指数)の計算をするために、対象となっているモノは、現在約582品目あります。
それらを毎月指数化していて、前月購入したモノの価格の指数をその翌月に総務省が公表しています。
消費者物価指数の対象品目はどのように決める? 発表はいつ?
品目を選ぶにはまず基準にしている年があります。
西暦の末尾が0または5がつく年と決まっています。
今は2023年なので、品目を選ぶ基準の年は2020年でした。
5年ごとに各部門からトレンドとなるものを見直して選び、基本は同じ商品で毎月調査します。
商品としてトレンドでないものをいつまでも調査の対象にしてしまうと、実際の消費動向はわからないので、5年ごとに品目を見直していきます。
それによって例えば、昨年と今年の同じ月を比べると、その変化がわかります。
つまり物価が上がったか、下がったかがわかるのです。
日本では総務省が毎月19日を含む週の金曜日の午前8時30分に公表しています。
総務省の公式サイトを見てみると最新の情報が掲載されていますので、チェックしてみてくださいね。
ちなみにアメリカでは米労働省労働統計局が消費者物価指数を毎月公表しています。
日本とは若干違い、毎月15日前後に公表となります。
投資をしている場合、発表の前後でトレンドが大きく変わる事に注意する必要が有ります。
次の項で説明するCPIのどの値が影響するのかを把握しておくことで、損失を少なくしたり利益を増加させることに繋がります。
相場は世の中の空気感で変わるもの。
その空気感を変えるものの一つがCPIです。
CPIはどういう種類があるの?
では具体的にどういう集計方法なのでしょうか。
CPI(消費者物価指数)とは3つ、集計方法があります。
・CPI:全ての対象商品(582品目)で算出された総合指数。
・コアCPI:生鮮食品を除く総合指数で、天候や季節が要因して値動きが動くので、生鮮食品は除いています。
・コアコアCPI:生鮮食品(酒類以外)とエネルギー価格を除く総合指数
このエネルギーは電気、都市ガス、プロパンガス、灯油、ガソリンなどを指します。
生鮮食品とエネルギーを除いたもので指数を出しています。
全体の指数を出すことも大切ですが、食品やエネルギーなど変動する要因を除いた方が消費者物価の動きがわかりやすいということもあり、3つの集計を出しています。
ちなみにアメリカのCPIの集計方法は2種類です。
・CPI:全ての対象商品で算出された総合指数
・コアCPI:生鮮食品とエネルギーを除く総合指数
日本のコアコアCPIとアメリカのコアCPIが同じような対象となります。
ただし、対象品目はアメリカの場合、約200品目と言われています。
CPIの指数の計算方法とは?
では、どんな風に計算しているのでしょうか。
実際の品目はもっと多いですが、わかりやすく1つ例を出してみます。
(例)2022年の3月と2023の3月に同じお米を購入し、比較してみます。
2022年にお米3kgが1,000円で10袋売れたとします。
2023年には同じお米3kgが1,100円で8袋売れたとします。
この場合、物価の変化を見たいので、2023年には価格がどれくらい上下したのかを見ていきます。
基準になるのは2022年で、比較したい年は2023年ということになります。
ここで注意は数量の比較ではないので、数量は基準となった年の数量と合わせます。
計算方法は次のようになります。
(比較したい年の金額×基準の年の数量÷基準となる年の金額×基準の年の数量)×100⇨消費者物価指数の比率
すると(1,100×10÷1,000×10 )× 100=110となり、
基準にした2022年を100と考え、2023年には10%金額が上がったことになりますよね。
つまり1年間でお米の価格は10%上昇していったとわかります。
今の例はお米だけなので、計算しなくてもすぐにわかりそうですが、これをCPIでは582品目全てについて計算し、指数を出していきます。
CPIの役割とは?
なんでこのようなデータを毎月出すのか?って思いますよね。
実は国も民間もこの指数を参考にしています。
このCPIを分析すると、国がインフレ状態なのかデフレ状態なのかがわかるので、国が金融の政策を打ち出すときや、家賃、公共料金などが改定されるときに参考になる数値と言われています。
CPIはインフレやデフレと関係している?
ここでちょっとインフレとデフレについてお話しします。
インフレとは物やサービスの価格が上昇していく状態です。
物の価格が上昇すると、企業の売上も増加していきます。
企業は売上が上がると、設備投資をしたり、従業員の給料も上げていきます。
給料が上がれば、私たち消費者は物を買おうとして消費活動が増えます。
そうなると企業の売り上げも増加するといった循環になります。
需要が増えるので物の値段が上がっても売れていき、物価も上がっていきます。
こうした流れで景気が良くなり、経済が成長しますが、インフレ率が高くなりすぎると困ることも起きます。
例えば、エアコンを買おうと思っていて、70,000円で買えていたものが、100,000円に上がってしまうということがあります。
インフレが進むと物の値段が上がり、それを得るためにさらに上乗せして払う必要が生じてしまいます。
つまり買おうと思った時にはエアコンのために貯金していた70,000円も、実際に買う段階では同じものなのに、お金の価値が下がってしまうことになります。
バブル時代とバブルが弾けた時を経験している世代はよくご存知ですよね。
自分はバブル崩壊時期に就職しましたので、社会人としてはバブルでウハウハの世の中は味わっておらず実感ないのですが…
日銀が円高不況を解決するために金融緩和の政策を行ったことで、金利が下がり、銀行から借入もしやすくなって、土地、株式、貴金属など投資の目的で買い漁る企業や個人が激増しました。
そのため買う価格も異常なほど跳ね上がっていきました。
あまりに実体の価値とかけ離れるほど上がったため、その後、日銀が金融引き締めを行い、政府も土地に対して地価税を導入したり、土地売買の融資を規制などしました。
その結果、地価や株価が暴落して一気に経済にダメージを与えることになったのです。
高値で買った土地も株も絵も価値が下がり、買い手がつかないので、売ることもできず、借金を抱えた人も多いのです。会社の倒産や自己破産などもありました。
景気の低迷は続き、今度はデフレの悪循環が続いていきました。
デフレは物やサービスの価格が落ちてしまう状態を言います。
企業の販売価格が低下して、売り上げも伸びにくくなります。
売り上げが上がらなければ、設備投資も控えるし、従業員の給料も上がりません。
給料が上がらなければ、皆買い物を控えるようになり、消費が冷え込んでいくという循環になります。
こうなると企業も倒産などに追い込まれる可能性もありますよね。
インフレになりすぎてもデフレになりすぎても問題が起きるのです。
消費者物価指数は2%以下であれば経済は安定して成長していると考えられています。
超えてしまうと企業の業績が悪化したり、個人の消費が落ち込んでしまうので、国としては2%を超えて上昇するようなことが起きない様に、注視しています。
そのためにも毎月調べる消費者物価指数は意味があり、経済を安定させるための参考にしているのです。
現在の日本のCPI(消費者物価指数)は?
世界各国の消費者物価指数を比べると、比較的日本は低く推移していて、2022年6月の公表では、前年との比較で2.4%の上昇でした。
2023年の6月の消費者物価指数は前年との比較で、3.3%の上昇です。
電気・ガスの抑制策がもしなかった場合、4.3%の上昇と言われています。
世界と比べると低いとはいえ、注視するべき数値になってきています。
参考にした記事:総務省2020年基準消費者物価指数(2023.6月分)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
原油が上がったり、原材料費も高くなったり、他にもロシアのウクライナ侵攻など、色々な要因でここ1~2年、企業はこぞって商品を値上げをしています。
光熱費、輸送代、通信費、家電の値上げ、食品では食用油、小麦粉、パスタやパン、カップ麺、レトルト食品、調味料、飲料など、日用品でもトイレットペーパー、ティッシュペーパー、おむつ、事務用品、乳製品、缶詰など挙げればキリがないくらいです。
東京新聞の値上げに関する記事を掲載しますので、見てください!
みなさんはこんなにも値上げされているって知っていましたか?
びっくりですよね。
家計が逼迫していくはずです!!
参考にした記事:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/163227
このインフレによって、2022年の賃上げは2.27%アップし、2023年は3.91%アップしました。
大企業は物価高もあり、従業員の頑張りに応えるべく、またモチベーションを下げないように大幅に賃上げしました。
ただ、ここで語られているのは大企業の話です。
中小企業や小規模事業者など、産業を下支えしている会社にとってはピンとこない話なのです。
この中小企業は日本国内全体の企業の99.7%です。
つまり、日本に有る企業のほとんどが中小企業や小規模事業者なのです。
下請け企業なども大企業と同じように業績アップが見込めて、設備投資もできて、従業員の給与も上げられれば、生活に関わる値上げも少しは仕方ないと納得するかもしれません。
でもそうではないところが大きな問題ですよね。
景気が上がっているという実感もありません。
生活は対しては上向かないのに、支出ばかりが増えているのが現状です。
みなさんはどう思われますか?
CPIについてのまとめ
今回はCPI(消費者物価指数)について調べてみました。
世界の情勢によっても大きく影響を受けて、変化がわかる指数です。
消費者物価指数が上がったからといって、私たちの生活にすぐに景気が良いと実感できることでもありませんが、この指数の大幅な変動によって金融政策も発動される場合もあり、私たちの生活も変わってきます。
毎月公表されるCPI(消費者物価指数)をぜひ、関心を持って見ていきたいものですね。
参考にした記事:総務省 消費者物価指数のしくみと見方