ロマンスカーは1957年から現在の小田急線を走っている特急電車の総称です。
当時は小田急線(旧小田原急行電鉄)だけを走っていましたが、千代田線に乗り入れができるようになってからは大手町や北千住の方まで延び、反対方向も箱根湯本や江ノ島方向までだったのがJRの御殿場(一時期は沼津)まで延びるようになりました。
通勤でも使う人が多くとても快適です。
自分も通勤で小田急線を利用していましたが、昔から朝晩のラッシュ時間は混む路線で、急行を使っても1時間近くぎゅうぎゅうで立ちっぱなしのしんどい時間でした。
なにせ、線路上に電車が渋滞しているのですから急行だろうとノロノロ運転でしたからね。
今では複々線化工事が完了し、速達性もかなりアップ!
朝晩の通勤時間帯のロマンスカーの快適性は飛躍的に向上しました。
通勤でのロマンスカー利用者が増えた分、急行の混み具合も少し緩和されていきました。
もちろん通勤ばかりではなく、休日にロマンスカーを使って箱根湯本や江ノ島、そして御殿場まで行けるのも快適です。
ロマンスカーって聞いたことはあるけど、乗ったことがないという方にもぜひおすすめしたいです。
ロマンスカーはこの65年の間に形や車内の機能も変化を遂げています。
今回はロマンスカーの語源、どんな車両があるのか、今年の夏に開かれるイベントをご紹介します。
イベントでは なんと、あのVSEに…
ロマンスカーの名前の由来は?
ロマンスカーの名前の由来ってご存知でしょうか。
自分は幼い頃から何の疑問も無くロマンスカーと呼んでいたので、疑問にも思いませんでした。
小田急沿線に住んでいたのでそれが当然だったんですよね。
さて、ロマンスの意味は元々、中世ヨーロッパの空想的、冒険的、伝奇的な物語のことを言っていたそうで、ロマンはフランス語から、ロマンスは英語からの外来語です。
1949年頃、新宿の映画館で横並びで座るカップルにおすすめのロマンスシートが設置され、とても話題となりました。
それを彷彿させるような2人がけのシートを設置したことでロマンスカーと言う名称にしたという説があります。
参考にした資料:
https://ja.wikipedia.org/wiki/小田急ロマンスカー
ロマンスカーはどんな種類があるの?それぞれの特徴は?
現在のロマンスカーは4種類の車体があります。
GSE(70000形)・MSE(60000形)・EXEα(30000形)・EXE(30000形)です。
非情に残念なことに、連接台車を採用した最後のロマンスカーVSEの定期運用が2022年3月に終了してしまったので、上記の全てがボギー台車です。
それぞれ特徴があるので簡単に説明しますね。
GSE(70000形)
2018年3月から走っている特急車両でGraceful Super Express の略です。
大きな魅力はまず展望席があることです。
運転席は2階にあるので、1階の両端の車両である1号車と7号車の先端が展望席になり、視界が広がり見晴らしが良いのでとても人気です。
1号車も7号車も展望座席はそれぞれ8席あり、合計16席ですが、人気なので予約ですぐに埋まってしまいます。
展望席だけでなく一般席も大型のガラスがはめ込まれているので各席からの眺望も良く、新宿から箱根湯本までちょっとした旅行気分を味わえる特急列車です。
車体の色はローズバーミリオン、側面はバーミリオンオレンジの帯があしらわれています。
バーミリオンオレンジはロマンスカーに使われている伝統的なオレンジ色です。
車内には座席のそばに荷物がおけるラゲージスペースが1,2,3,5,6,7号車に付いています。
網棚は敢えて設置していません。
車椅子のスペースは4号車にあり、点字付きの案内がある手摺りもあちらこちらにあります。
トイレは2,4,6号車に、ベビーベッド、ベビーチェアも3ヶ所あります。
自動販売機も4号車にあります。
シートは180度回転するので、3〜4人で乗車した時に向かい合わせにもできるのです。
これは全てのロマンスカーにある設備です。
また席の肘掛部にコンセントがあり、テーブルはノートパソコンが置ける広さなんです。
ですが、GSEに乗車したならパソコンとにらめっこなどせず、車窓を流れる景色を楽しむと良いと思います。
前の座席の背面には小冊子、ペットボトル、傘、杖が置けるスペースやフックが3つあるので、とても便利です。
座面の幅も広いのでゆったりとラグジュアリーな感じで楽しめます。
ロマンスカーの中で一番人気なのではないでしょうか。
MSE(60000形)
2008年3 月から走っている特急車両です。
千代田線に乗り入れるロマンスカーで、大手町方面から本厚木間のビジネス特急や休日に北千住から箱根湯本までの観光特急運用など幅広い活躍ぶりです。
2012年からはJR御殿場線直通の特急あさぎり(現在は特急ふじさん)としても活躍しています。
車体はフェルメール・ブルーとバーミリオン・オレンジの帯が入っています。
フェルメール・ブルーはオランダの画家フェルメールが好きな色ということです。
とても鮮やかな色で千代田線は地下に潜っていくのですが、地下では見ることができない”空”をモチーフにしたそうです。
座席は180度回転するので3〜4人で乗車すると旅気分です!
東京メトロでは乗降できない車両出口があります。
2,3,6号車なので降りる際に慌てないように確認してくださいね。
トイレは2,5,8号車、ベビーベッドやベビーチェアは2,5,9号車、車椅子が利用できるのは5,8号車です。
点字つき車内案内や手すりもあちらこちらにあります。
座席の背面にはカバンフックや傘立ても付いています。
通勤用としても活躍するので疲れない乗り心地の座席になっています。
毎日のことだから助かりますね。
参考資料:
EXEα(30000形)
2017年3月から走っている特急車両で、エクセアルファーと言います。
車体はムーンライトシルバーとディープグレイメタリックの2色でバーミリオンオレンジの帯が付いています。
荷物がおけるラゲージスペースは2,3,5,9号車に、トイレやベビーベッド、ベビーチェアは2,5,8号車に車椅子利用は5,8号車にあります。
自動販売機も3,9号車に設置しています。
もちろんシート回転可能で、シートの背面には荷物用フックや傘用ホルダーも付いています。
EXE(30000形)
EXEαより古く、1996年から走っている特急列車です。
と言うか、EXEαの改装前車両と言った方が良いでしょうね。
Excellent Express(素敵で優秀な特急列車)ということでEXE(エクセ)と呼ばれています。
EXEは色もスタイリッシュで個人的には好きですが、ロマンスカーのイメージからするとちょっと抑えた色であるのと、展望席がないので子どもたちには人気が今一つとか。
ロマンスカーに乗る時にEXEが来ると泣いてしまうお子様が居ると聞いたことが有ります…
その気持ち、良く分かりますね。
観光にも使われますが、通勤や通学仕様としても大きく活躍しています。
こちらもシートは回転し、トイレは2,5,8号車にあり、車椅子利用は2,5,8号車でそのうちベビーベッドとベビーチェアは5,8号車に付いています。
自動販売機も3,9号車に設置されています。
ここでロマンスカーの車両の比較表を掲載します。
GSE(70000形) | MSE(60000形) | EXEα(30000形) | EXE(30000形) | |
車体の色 | ローズバーミリオン | フェルメール・ブルー | ムーンライトシルバー/ディープグレイメタリック | ハーモニックパールブロンズ |
バーミリオンオレンジの帯 | バーミリオン・オレンジの帯 | バーミリオン・オレンジの帯 | アッパーレッドのワンポイント | |
車両数 | 7両編成 400席 | 6両編成 352席/ | 4両編成 226席/6両編成 352席/ | 4両編成 226席/6両編成 352席 |
10両編成 578席 | 10両編成 578席 | 10両編成 578席 | ||
展望席 | 1,7号車 (計16席) | なし | なし | なし |
シートの回転 | 可 | 可 | 可 | 可 |
ラゲージスペース | 1,2,3,5,6,7号車 | なし | 2,3,5,9号車 | なし |
トイレ | 2,4,6号車 | 2,5,8号車 | 2,5,8号車 | 2,5,8号車 |
ベビーベッド・チェア | 2,5,6号車 | 2,5,9号車 | 2,5,8号車 | 5,8号車 |
座席 | コンセントテーブルあり | テーブルあり | テーブルあり | テーブルあり |
座席背面 | 小冊子、ペットボトル、傘、杖が置けるスペース | 傘立て、カバンフック | カバンフック、傘用ホルダー | |
車椅子のスペース | 4号車 | 5,8号車 | 5,8号車 | 5,8号車 |
点字付きの案内 | 有り | 有り | 有り | なし |
自動販売機 | 4号車 | 3,9号車 | 3,9号車 | 3,9号車 |
AED | 4号車 | 3,9号車 | 3,9号車 | 6,7号車 |
ロマンスカーはどこからどこまで行けるの?
特急ロマンスカーには行き先や時間帯によって何種類か名前が分かれています。
まず紹介したいのが、朝と夕方から夜に走る特急です。
朝はモーニングウェイ号・メトロモーニングウェイ号、夕方からはホームウェイ号、メトロホームウェイ号という4種類の名称になります。
主に、MSEとEXEα、EXEで運用されることが多いのです。
9:30までに新宿に到着するのがモーニングウェイ号で、平日に12本、土休日8本あります。
9:30までに大手町に到着するのが、メトロモーニングウェイ号で、平日に2本 土休日1本あります。
夕方17時以降に新宿発がホームウェイ号で平日18本、土休日18本あります。
北千住や大手町や霞ヶ関から17時以降に出発するメトロホームウェイ号は平日5本、土休日2本あります。
通勤や通学での利用も多いロマンスカーです。
その他には行先によって7種類のロマンスカー種別があります。
途中駅に停車する列車もありますが、時間によっても微妙に変わるので、詳しくは小田急線のロマンスカー時刻表を見てくださいね。
・スーパーはこね号:新宿→箱根湯本(土休日の下り)
・はこね号:新宿⇄箱根湯本
・さがみ号:新宿⇄小田原
・えのしま号:新宿⇄片瀬江ノ島
・ふじさん号:新宿⇄御殿場
・メトロはこね号:北千住⇄箱根湯本
・メトロえのしま号:北千住⇄片瀬江ノ島
参考資料:https://www.odakyu.jp/romancecar/
ロマンスカーでどこ行く?夏のイベントを2つ紹介します
ロマンスカーに乗って楽しめるスポットはたくさんありますが、これからに向けてのイベントを2つご紹介します。
・鉄道大好きタレントと行く!特急ロマンスカー・VSE全線走破ミステリー」ファミリーデー
・江ノ島マイアミビーチショー
鉄道大好きタレントと行く!特急ロマンスカー・VSE全線走破ミステリー」ファミリーデー
7/16(土)・17(日) ・ 23(土) ・24(日)の4日間開催します。
ツアーを先導してくれるのは7/16と7/23は元祖鉄道アイドルの豊岡真澄さん、7/17と7/24は鉄道が大好きなホリプロのマネージャー南田裕介さんです。
鉄道番組などでもよく見かけるお二人ですね。
このイベントでは2005年の3月から新宿~箱根湯本間を走っていた特急ロマンスカーVSE(50000形)が登場します。
今年の3月11日に通常ダイヤでの運行を終えました。2023年の秋頃に引退予定ですが、今回もイベントに活躍してくれます。
当日はVSEを貸し切り運行しているので車内の巡回やトーク、クイズ大会、写真撮影などがあります。
VSEが小田急線のどこを走るかは当日のお楽しみです。
また車内でのイベントも盛り沢山なので、電車好き、特にロマンスカー好きにはたまらないイベントです。
23日は中学生以下の子どもさんを含む親子限定日です。この日だけは小学生のお子さんの代金が1,000引きです!
参加費:大人(中学生以上)11,900円、子ども(小学生)9,900円(23日は8,900円)
※旅費、車中での昼食代込
☆参加者全員に記念乗車証、VSE缶バッチ、豊岡真澄さん×小田急電鉄キーホルダー(7/16,23参加の人)、小田急電鉄銘板キーホルダー(7/17,24参加の人)もプレゼントがあります。
詳しくはこちら!
江ノ島マイアミビーチショー
江ノ島の海開きが始まりました。
7/1から8/31までは片瀬東浜海水浴場、片瀬西浜・鵠沼海水浴場。
7/16から8/31までは辻堂海水浴場です。
江ノ島マイアミビーチショーは7/1~8/31の間で次のように色々なイベントをやっています。
・7/1~8/31ちびっこBEACH SAVERパーク 片瀬東浜海水浴場にて
・7/9 10:00~11:15サザエさんビーチクリーン片瀬東浜海水浴場にて
・7/1219:30~3分間マイアミビーチショー夏花火(150発)片瀬海岸西浜にて
・8/19、23 19:30~3分間マイアミビーチショー夏花火(150発)片瀬海岸西浜にて
・7/23~8/31江ノ島灯籠2022 江ノ島サムエル・コッキング苑他にて
・8/12~8/14第36回ビーチバレージャパン鵠沼海岸ビーチバレー常設コートにて
・8/17~8/18第13回湘南藤沢カップ 全国中学生ビーチバレー大会鵠沼海岸ビーチバレー常設コートにて
・8/20第7回湘南藤沢ビーチサッカー大会(小学生の部)鵠沼海岸(サーフビレッジ横)にて
・8/21第7回湘南藤沢ビーチサッカー大会(一般の部) 鵠沼海岸(サーフビレッジ横)にて
夏花火は4年ぶりの開催です。
ロマンスカーに乗って江ノ島まで行き、ビーチで遊びながら、イベントを見るのも楽しいですね。
詳しくはこちらから!
小田急ロマンスカーのまとめ
いかがですか。
今回は小田急電鉄を中心に千代田線、JRにも延びているロマンスカーを紹介しました。
ロマンスカーの名前の由来から種類、そして夏に向けてのイベントを2つご紹介しました。
あのVSEに乗車できるイベントは、ファンなら見逃せないイベントでしょう!
乗車できなくても、VSEの雄姿を撮影できるチャンスでもあります。
通勤、通学、旅行などにも幅広い用途で長年親しまれているロマンスカーです。
まだまだロマンスカーを楽しみながら、楽しめる場所は色々あります。
箱根湯本や大山(丹沢)、海老名などおすすめできるところは今後紹介して行きますね。
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