『3月のライオン』の概要・映画の紹介と棋士のモデルはだれか?

『3月のライオン』というコミック、アニメをご存知で
しょうか。
2021年に藤井聡太さんが最年少で九段に昇段した
こともあり、将棋をテーマにした人気コミック
『3月のライオン』をあらためてご紹介しようと
思います。
将棋のルールを知らない人でも、そして世代を
超えて幅広い層にも十分楽しめるストーリーです。
では『3月のライオン』の概要と映画の紹介と
モデルと言われている棋士をご紹介します。
まずは概要からです。
『3月のライオン』の概要
『3月のライオン』は2007年に白泉社の
ヤングアニマルで連載スタートしました。
作者は羽海野(うみの)チカさんで、2005年に
アニメ化された『ハチミツとクローバ』で
デビューされた漫画家です。
『3月のライオン』は2010年第1回ブクログ大賞
マンガ部門大賞、第4回マンガ大賞2011、
第35回講談社漫画賞一般部門、2014年第18回
手塚治虫文化賞マンガ大賞など他にも数々の賞を
受賞しています。
幼い頃に両親を事故で失った孤独な少年 桐山零(きりやまれい)は、
父の友人の棋士に引き取られ、孤独を紛らわすために将棋にのめり込み、
中学生でプロ棋士になります。
学校でも孤立し、プロ棋士の世界で生き残るために厳しい戦いの連続。
東京の下町の六月町に移り住み高校にも1年遅れで進学した頃から
零を取り巻く人々に少しずつ癒され、自分を取り戻していきます。
橋を渡った三月町の川本家の人々とは、特に強い係わりを持って行きます。
(題名「三月のライオン」の三月は三月町から来ている)
そして周囲で起きる問題にも積極的に係わって力になろうとすらして行きます。
それぞれの登場人物が何かを取り戻そうとし、
零もその中で成長していくストーリです。
勝負あり、恋模様あり、人生の浮沈あり と、大人でも楽しめる作品です。
『3月のライオン』は実写映画も上映。豪華メンバーが出演!
3月のライオンは前編・後編が2017年3月18日・4月22日に
それぞれ上映されました。主な配役は次の通りです。
主なキャスト
桐山零:神木隆之介
<川本家>
あかり:倉科カナ
ひなた:清原果耶
モモ :新津ちせ
相米二:前田吟
美咲 :板谷由香
甘麻井戸誠二郎:伊勢谷友介
<幸田家>
柾近:豊川悦司
香子:有村架純
<学校の担任>
林田高志: 高橋一生
<プロ棋士>
二階堂晴信:染谷将太
島田 開:佐々木蔵之介
後藤正宗:伊藤英明
宗谷冬司:加瀬亮
山崎順慶:奥野瑛太
三角龍雪:中村倫也
松本一砂:尾上寛之
神宮寺崇徳:岩松了
安井学:甲元雅裕
柳原朔太郎:斉木しげる
あらすじ
<前 編>
桐山零(神木隆之介)は幼い頃両親と妹を
事故で失い、父の友人の幸田柾近(豊川悦司)に
引き取られます。
プロ棋士である幸田の下で弟子となり
メキメキと力をつけ、中学生でプロ棋士になりました。
一緒に暮らしていた幸田の娘、香子
(有村架純)や弟の歩も将棋をしていましたが
零にどんどん先を越され、それが原因で
幸田家の家庭内でのいざこざが多くなって行きます。
零は自分が原因だと分かっていたので、
幸田家を出て六月町で1人暮らしをはじめ
駒橋高校に1年遅れで編入します。
でも学校でも同級生と1歳違うということもあり孤立していました。
将棋好きの担任林田(高橋一生)が零を
気にかけてくれます。
唯一幼い頃から対局していた二階堂晴信
(染谷翔太)は、零を心友だと言い、
何かと絡んでくる同士です。
彼は持病を抱えています。
中学生でプロになり注目を浴びたものの
成績が振るわない零でした。
ある時先輩棋士に付き合わされ銀座のスナックで酔い潰れてしまい、
川本家の長女あかり(倉科カナ)が介抱します。
これがきっかけで川向こうの三月町に住む川本家と
交流が始まり、そこで孤独な零はようやく癒しを得るのです。
そして獅子王戦トーナメントで後藤正宗棋士
(伊藤英明)と対決しますが、香子との因縁がある
後藤に対しては心穏やかでなく、対戦でも冷静さを
失ってしまいます。
A級棋士の島田開(佐々木蔵之助)にもそんな心の動揺を
見破られ、恥をかく零。
それからというもの島田の研究会で精進して行っくようになります。
<後 編>
零は精進していくうちに新人王のタイトルを取り、
名人宗谷冬司(加瀬亮)と記念対局をとりますが、
当然の事ながら破れます。
獅子王戦が始まりますが、柾近(幸田のお父さん)が息子の歩との
いざこざで怪我をして入院してしまいます。
川本家では食事をしたり、変わらずお世話に
なっている零ですが、あるときひなた
(清原果耶)が学校でいじめにあっていることを
知り、力になろうとします。
また、家族を捨てて出て行った川本家の父
誠二郎(伊勢谷友介)が突然やってきて何かを
企んでいるようです。
そんな誠二郎から零はあかり達を守ろうとしますが、
ひなたからそれでも自分の父親だと言われ
ショックを受けます。
同時に零は獅子王戦に勝ち進み、後藤との
対局が決まりました。
島田の研究会で対策を練るために二階堂を始め
みんなが一致団結します。
一方後藤は病気の妻が亡くなり、将棋の研究に
没頭します。
決勝戦では後藤の優勢で進みますが、粘り強く戦い、
零は勝利を手にします。
『3月のライオン』で棋士は誰がモデルとなっている?
二階堂晴信は故村山聖九段がモデル
零と幼い頃からの将棋仲間である二階堂晴信は
お金持ちのお坊ちゃんではありますが、将棋に
おける負けん気は強く、零を心の友として、
ライバルとして関わってきます。
そんな二階堂晴信のモデルとなっているのは
故村山聖九段と言われています。
故村山聖九段は1986年に17歳で棋士デビュー
しています。
5歳の時から腎臓の難病を患っていましたが、
父親から将棋を教わり将棋にはまり1日中
差し続けていたそうです。
プロ棋士になってからは癌を患い、入院や手術も
していました。
1998年29歳という若さで亡くなりましたが、
『東の羽生、西の村山』と言われるほどの
実力者でした。
参考資料:https://ja.wikipedia.org/wiki/村山聖
羽生善治九段は当時、村山さんと対局したときのことを
こう語っています。
『プロになりたての頃はどうしても
荒削りですが、村山さんの将棋は特にこんなのが
最初の作戦で大丈夫?と心配になることもありました。
対局している姿も苦しそうと言うか辛そうな感じで、
二重の意味で大丈夫なのかな?と。
でもそんな状態で指す将棋がとんでもない冴えと
切れ味。その二面性に棋士の中でも異質なタイプ
なんだとしみじみ思っていました。
引用:https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/habu-murayama
コミックでも映画でもそうですが、将棋に熱く、
具合が悪くてもやりたい将棋を貫く姿勢はまさに
村山聖さんを描いていたような気がしますね。
二階堂晴信のセリフとしてたくさん名言が
あるのですが、
自分がグッときたものを挙げてみます。
・『ライバルとか努力とかそーいう色んなアレを
乗り越えて最後にはお互いバチーンとハイタッチ☆で
親友誕生☆みたいな・・――読めよ!!流れを!!
少年漫画の定跡ですよ』
・『カッコつけんな桐山っっっ!!!本当に
勝ちたいんなら攻めるだけじゃなくちゃんと
守れっって・・・ 潔いのと投げやりなのは
似ているけど違うんだ!!』
伸び悩みの原因まで言及してましたね。
さすが心の友!
・『僕は桐山に出会って頭をカチ割られて救われたんです。
ああオレより強いヤツがいる。オレより努力した
人間がいる。オレは独りぼっちじゃないんだーーって・・・』
心の友としてライバルとしてリスペクトして大事に
思っていることが伝わるし、根が明るくて愛すべき人ですね。
宗谷冬司は谷川浩司九段と羽生善治九段がモデル?
10年王座に君臨し、神の子と崇められている
宗谷冬司は谷川浩二九段と羽生善治九段を
合わせたイメージをモデルとしていると言われています。
宗谷冬司は30代で名人になり史上最年少記録です。
七大タイトルもとっています。
その点を考えても羽生善治九段は七冠を達成が
1995年の25歳の時。
谷川浩司九段も21歳で最年少名人になっていて、その
あたりも共通点です。
宗谷冬司はストレスから来る突発性難聴を
患っていることがコミックを読み進めていると
わかります。
聞こえたり、聞こえづらかったりという症状の
ようですが、インタビューを受けても、
そのせいで質問に対する答えになっていないことも。
でも天才とはそういうものだ!という周りが思って
しまっているようです。
そのオーラとでも言いましょうか、名人の風格というのでしょうか、
島田開は対局で勝つチャンスがあったのに島田本人をはじめ
対局を見ていた人もそのチャンスを見過ごしてしまいます。
ただ1人(零)を除いて・・・。
圧をかけているわけではないのに、天才のオーラに
対して勝手に挑戦する側が飲み込まれてしまうんで
しょうか。
その場面(獅子王戦第四局)で宗谷冬司が島田開に向かって
呟いた名言です。
・『気づかなかったね。・・・君は僕を信用しすぎた・・・』
『・・・ 美しかったのに』
主人公の桐山零のモデルは…?
特には居ないようです。
でも、零の昇進するサマは、現在快進撃を続けている
藤井聡太9段に重なると思うのは自分だけでしょうか?
『3月のライオン』まとめ
いかがでしたでしょうか。
コミックが発刊されてから根強い人気がある
『3月のライオン』ですが、
2021年の9月29日には第16巻が発売されました。
自分は当然購入しましたよ^^
特装版は『お菓子の国のジグソーパズル付き』でした。
引用:https://www.famitsu.com/news/202106/21224459.html
コミックを読んだことが無い方は一度読んでみてはいかが?
<関連記事>